AI の環境構築はLinuxから
AIの勉強を始めると、AI の環境構築に手間取ることが多かった。
その原因は、AIのフレームワーク「Caffe」、ライブラリ「TensorFlow」、GPU(Graphics Processing Unit)の開発環境「CUDA」、Python環境「Anaconda」などのソフトが必要または推奨と1~2行程度で書かれているだけで、それらのインストール手順はそれぞれのサイトに記載されていたからだ。実際にそれらのサイトを見てみると、動かしたいAIソフトが利用しているLinuxのバージョンが違っていたり、多くの注意事項が書かれていたりする。その内容をすべて理解し、実際の動作環境に合わせてインストールしないと、AIソフトは動かない。
AIモデルの学習においては多くの演算処理が行われるため、“演算時間を短縮できるか”で開発の効率を左右します。そのため、高速演算処理が行えるGPU(Graphic Processor Unit)とプロセッサが必須となります。GPUを使用するためには大きく2つの方法があります。
・クラウドにあるGPUインスタンス (Colab制限あり無料、その他無制限有料)
・GPUカードが挿さったワークステーションやノートパソコンなど(無制限)
まずはPCでお試すことをお勧めします。AIの環境構築際は合わせてOSを選択する必要もあります。
OS |
参考となる WEBの情報量 |
GPUサポート |
結論 |
Linux (Ubuntu) |
◎ 豊富 |
〇 有 |
最良の選択肢。GPU付きのWSで、本格的にAIを学び実践したい人は特に。 |
Windows |
〇 そこそこ |
〇 有 |
日常使いのPCや使い慣れた環境を使いたい人にとって最良だが、エラー遭遇時に不安が残る。 |
macOS |
△ あまりなし |
× 無 |
GPUを使う上では選択できない。CPU版であればOK。 |
現時点で、GPUを使ったAI開発を行うにはLinuxを選択するのが最良の選択といえます。
Linuxの初心者なら、まずLinuxの基本を勉強して、インストール手順は理解するようにしましょう。
Linuxの勉強はRaspberry Piから
Raspberry Pi を利用して、Linuxの仕組みを学習する方が非常にいいと思います。パソコンにLinuxを入れて学習する方法もありますが、インストールで挫折したり、既存のデータが誤って消されたり問題ががあります。
Raspberry Pi もともとはARMプロセッサを使った安価な教育用コンピュータとして開発されたもの、SDカードにOSを書き込み、キーボードマウス、USB電源と家庭のHDMI付きテレビがあれば動作します。最新のRaspberry Pi4は、デスクトップやサーバー機として充分な性能です。ハードウェア部分からOSまで幅広く学べますし、学習者が安くデバイスを揃えることができるのが何より良いです。
Raspberry Pi の入門でLinuxの仕組みを学べますし、さらに機械学習、スーパーコンピュータをつくるなど参考になる書籍、サイトがたくさんあります。
Raspberry Pi 3B+ は安定して動作した、サポートする最新機種。
Raspberry Pi 3A, Raspberry Pi 4Bも実験環境改善しているので、前向きに視野に入れましょう。
A DIY self driving platform for RC cars
Raspberry Pi の使い方を慣れたら、初心者からでもAIを体験できるDonkey Carを挑戦する!
Donkey Car(ドンキーカー)とは、Googleが提供している機械学習のためのソフトウェアライブラリ「TensorFlow」をラズベリーパイにインストールし、ラジコンカー(RC Car)にそのラズベリーパイとカメラを搭載した自動運転車のプラットフォームです。
メニューのDonkey Car Sitesから、DonkeyCarの作成手順を解析しながら、自動運転RCカーの制作し、AIの世界へ取り込みましょう。